1925年8月に飛騨高山で食品の加工と卸売業を始めてから、おかげさまで90年以上が経ちました。この90年の間に時代は大きく移り変わり、それと同時に私たちの食環境も随分と変わってきました。創業当時と比べて日本の食生活は豊かになり、生命維持のための食から楽しむための食へ、飽食の時代を迎えました。その間のお客様のニーズの変わり具合を、私たちは食の裏方から眺め、時代の食環境にあった食材を提供してまいりました。

そんな中、2011年3月11日起きてしまった未曾有の災害、東日本大震災。

縁あって被災地に食材を運び炊き出しをさせていただく中で、懸命に笑って生きようとする被災された方々のエネルギーに触れ、私たちが何処かに置き忘れてきてしまった本当の豊かさに気付かされました。と同時に、まずは私たちが暮らす飛騨高山の地域のため役立ちたいと思い、経営者としての決意を硬め、震災後に3代目代表取締役社長に就任致しました。

 

ここ数年、飛騨地域の食環境も大きく変化しております。

人口減少の中で食材を生産する農家の担い手不足の一方で、著しい外国人観光客の増加と、日本の食文化が世界的に注目されている市場拡大の傾向。

またスマートフォンの普及やテクロジーの進化による物流の変化も食環境を大きく揺るがす原因となっております。

そんな中、この大きな食環境の変化にどのように対応していくのか? どのように地域に寄与していくのか? が大きな課題となっております。90年を超える歴史の中、先代達が沢山のお客様とのご縁をいただきながら、大きな時代の変化に対応し乗り越えて来たことに大きな学びを得て、これからの時代にフィットした「食」にまつわる様々なコトにチャレンジしてまいります。

そして、あらためて弊社の経営理念にもある「食べることは生きること、美味しく食べることは楽しく生きること」、お客様の「美食楽生」の実現に向けて、地域でいちばん必要とされる企業になるべく、日本の食を支えていくというプライドを持つ頼もしい社員たちと共に努力してまいります。

ぜひ、応援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

山一商事株式会社
代表取締役社長 山下喜一郎